襖の張替えの依頼を受けると、まずお客さんのお宅に訪問します。
襖を外して、当店工場に持ち帰って作業をする事になります。
みなさん、襖の張替え作業を目にする事ってほとんど無いと思う。
実際、このブログに訪問していただいている方の検索キーワードも
襖 張替え, ふすま 張替え, 襖 張り替え, 襖 張り方、などが多いようです。
というわけで、その作業や工程を是非知っていただきたいと考え、
参考になるか?ならないか?わかりませんが今回簡単に紹介する事にしました。
コレには理由があるのですが、それは後ほど。。。●まずはお客さん宅に訪問します。
●建付けを見てから外します。
●車に積み込み工場に持ち帰ります。
工場に持ち帰った襖

あちこちに破れがあります。
まずは縁を外していく

襖の縁は釘が見えないように作られています。
昔の人の知恵というか、この仕組みはなかなかのモノだと思う。
縦の縁は上からコンコンと叩くと外れます。
上下の縁は釘が打ってあるので、
「インテリアバール」等を使って外していく。
釘、ビスを抜く

縁を外すと釘かビスを打ってある。
紙を張るのに邪魔なのでこれを抜いていく。
引き手を外す

引き手も上張りには邪魔なので外す。
穴が開いて破れた襖

穴の開いた状態では作業を進められない。
襖全体の強度に影響するからだ。

小さな破れも全て補強をする。
下張り

襖の場合重要な工程の1つ。
2尺×6尺の紙を襖の寸法に合わせて裁断し、
紙の周囲にだけ糊を付けて張っていく。

下地の汚れ、アク、シミなどが表に出てこないように、
紙を浮かせて張る事が目的。
この工程は仕上げの紙を張った時に大きく影響する。
下張り完了

ここで4角にシワでもあれば、
仕上げの上張りにはかかれない。
全ての工程にいえることだが、
襖を仕上げる為には「目に見えないところ」
にどれだけ手を入れるか?という事がとても大切。紙の裁断

上張紙の裁断は寸法を測って裁断するのだが、
建付けが悪いと四隅の角度、四辺の寸法がそれぞれ違う。
したがって襖を紙の上に載せて形の通りに裁断する事になる。
手間はかかるが、良い仕上げをするためには必要だ。
糊付け

糊は均一に付けていく。
裏紙を上張り

押入れの裏側も新しい紙で仕上げる。
表の紙を上張り

表の柄を合わせながら張る。
これは裁断の時にしっかりとできていないと後で困る事になる。
上張り完了

上張りが完了した。
少しずつ時間をかけて乾かせる。
柄の出方を検査

今回のモノは縦にストライプの入った柄。
実際には上張りの際に手際よく合わせる必要がある。
柄の出方はバッチリ。
釘打ち

縁を固定するための釘を打つ。
元穴に打っていくのだが、
穴がゆるければ埋め木をしてから打つ。
縁打ち

縁打ちは2人がかりの作業となる。
1人が押さえつけ、もう1人が縁を打つ。
引き手取り付け

傷んでいる引き手は新しい物と交換する。
古くて良い物ならそのまま使いたい。
●車に積み込みお客さん宅へ。
●建付けを合わせながら納品完了です。
とまあこんな具合で襖の張替えは出来上がっていくわけです。
御自身で襖の張替えをやってみようというのはとても良い事だと思います。
DIYやセルフビルドには私も賛成派です。
自分が作ったものには愛着も湧いてきますよね。
私自身、当店の倉庫をアトリエへとリフォームする際には、木工事、塗装工事、ガラス工事等、作業の9割は自分達の手で行っています。
何かを作るのは好きだし、実際やっていて楽しい!
一枚の襖を仕上げる為には手間もひまもかかります。
それぞれの業者さん、表具屋さん、襖屋さんによって
多少やり方の違いもあります。
ですが襖というものの「型」というものは外していません。
武芸や習い事などにも「型」があるように、襖にも和室にもあると思います。
プロとしてお金をいただいてやる以上、
「ココまでは!」という、自分が納得できるラインを守るのは大切な事です。
それでも予測しきれないダメ出しが出たり迷惑をかける事もないわけではありません。
その際にはしっかりとしたフォローが大切になると思います。
今年一年も気を引き締めていきたいと思います。
2008年年初めにあたって。
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